南海高野線「初芝」駅より徒歩3分。リウマチ科・整形外科・リハビリテーション科「永山リウマチ整形外科」旧永山医院。リウマチ専門医、整形外科専門医として質の高い診療を行ってまいります。骨粗しょう症などもご相談ください。

関節リウマチについて

関節リウマチについて

関節リウマチとは?

関節リウマチは、自己免疫疾患の一つです。「自己免疫疾患」とは、本来外敵から身体を守る免疫が、自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病気を指します。
手・足の指や、膝、肘、肩など全身の様々な関節にある滑膜という組織が主に攻撃の対象となり、炎症を引き起こします。これが進行すると、関節の破壊や変形が進み、日常生活に支障をきたすことがあります。

図1 関節リウマチとは
関節リウマチとは

「関節リウマチのことをもっと知りたい患者さんへ」監修:近畿大学病院 リウマチセンター 野崎祐史先生

手・足の指や、膝、肘、肩など全身の様々な関節にある滑膜という組織が主に攻撃の対象となり、炎症を引き起こします。これが進行すると、関節の破壊や変形が進み、日常生活に支障をきたすことがあります。
本邦の関節リウマチ患者数は82.5万人と推定されており、男女比は1:3.2と女性に多く 、40歳代以降での発症が多いです。最近では高齢で発症する方も増えており,高齢発症者では男女比が1:2~3と男女差が小さくなります。

図2 リウマチと診断された年齢(2012–2013年発症)
リウマチと診断された年齢

どんな症状が出るの?

関節リウマチの初期症状には、次のようなものがあります。

朝のこわばり

朝起きたときに手の指がこわばり、動かしにくい状態が30分以上続きます。

関節の腫れと痛み

特に手や足の小さな関節に炎症が起こり、腫れたり痛みを感じたりします。膝、肘、肩など大きな関節に炎症が起こる場合もあります。

疲れやすさ

全身の倦怠感や疲れを感じることが多くなります。

体温の上昇

微熱が続くことがあります。

関節リウマチの原因は?

関節リウマチの正確な原因はまだ解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。

遺伝的要因

家族に同じ病気の人がいる場合、発症リスクが高まると言われています。

環境要因

喫煙や歯周病、ストレスなどが発症を促進する可能性があります。

ホルモンの影響

女性に多く見られることから、女性ホルモンの関与も指摘されています。

関節リウマチの経過

関節リウマチにおける関節破壊は従来ではゆっくり進行すると考えられていましたが、発症早期に急速に進行することがわかってきました。
関節破壊はいったん生じると元に戻ることはありませんが、最近の治療の進歩により早期に適切な治療をすれば関節破壊の進行抑制が期待できる時代となりました。
現在は発症後にできるだけ積極的な治療を行なうことが推奨されています。関節炎が長期間に及ぶと関節軟骨や骨の破壊が進行し、関節機能低下や変形をきたすことがあります。
その場合、家事などの日常生活や仕事にも支障が生じるようになるため、早期に診断し、適切な治療を早期に開始することが重要です。

図3 関節破壊の進み方と治療効果
関節破壊の進み方と治療効果

「関節リウマチのことをもっと知りたい患者さんへ」監修:近畿大学病院 リウマチセンター 野崎祐史先生

図4 進行した関節破壊、変形
進行した関節破壊、変形

関節リウマチの診断

関節リウマチの診断には、以下のような方法が用いられます。

1. 問診

関節の腫れ、関節の痛みの程度、朝のこわばりや疲労感など症状の詳細や発症時期、家族歴を確認します。

2. 触診

手足の指・肘・肩・膝関節などを触診し症状の有無や程度・部位を調べます。

3. 血液検査

CRP、血沈、リウマチ因子(RF)や抗CCP抗体の値を調べます。

4. 画像検査

レントゲンや関節エコーで関節の変化や炎症の状態を確認します。

関節リウマチの治療

治療には、基礎療法、薬物療法、リハビリテーション、手術療法があり、関節リウマチ治療の4本柱とされています。
基礎療法は、疾患についての知識、適度な運動、関節保護動作、食事などの日常的な注意点についてのアドバイスです。
薬物療法は、関節の痛みや腫れを抑えることや、関節破壊の進行を抑えることを目標とした薬の使用です。
リハビリテーションでは、関節や体の痛みを軽減したり、動かしやすくしたりするための運動療法等を行います。
手術療法は、関節形成術、人工関節置換術などを行います。

図5 関節リウマチ治療の4本柱
関節リウマチ治療の4本柱

関節リウマチの治療目標

リウマチの症状や、徴候がなくなった状態である「寛解」を目指して、治療を進めます。

1. 関節の痛みや腫れがなく、炎症がほぼ消失した状態の「臨床的寛解」

2. レントゲン検査上で関節破壊の進行が抑えられた状態の「構造的寛解」

3. 身体機能を保ち、QOL(生活の質)が維持できている状態の「機能的寛解」

1〜3の全てを達成する「完全寛解」により、普通の日々、良い日々を過ごしていただくことを目指します。
患者さんによっては様々な合併症もあり、容易なことではありませんが、関節リウマチ治療の4本柱でもって達成を目指します。

図6 関節リウマチの治療目標「寛解」
関節リウマチの治療目標「寛解」

関節リウマチ薬物治療の流れ

薬物治療の開始時には従来型抗リウマチ薬の使用を検討します。
治療効果が不十分な場合は、生物学的製剤やJAK阻害薬を用いた次の治療段階に進みます。
定期的に治療効果の確認を行いながら早期の寛解を目指します。

図7 関節リウマチ薬物治療の流れ
関節リウマチ薬物治療の流れ

関節リウマチ治療薬の種類

抗リウマチ薬

抗リウマチ薬は関節リウマチ治療の基本となるお薬です。異常な免疫機能を抑制する薬剤と免疫機能を調整する薬剤の2種類に分けられます。
1種類の抗リウマチ薬だけでは効果が不十分な場合は、複数の抗リウマチ薬を併用したり、他の抗リウマチ薬に切り替えたりすることがあります。

生物学的製剤

現在日本で使用可能な生物学的製剤は複数あり、投与法や投与間隔、炎症性サイトカインと呼ばれるTNFα、IL- 6などに対する作用が異なり、それぞれ特徴があります。
いずれの薬剤も炎症や痛み、腫れを軽減し、関節破壊の進行抑制が期待できるお薬です。これまでの治療で十分な効果が得られなかった場合でも 治療効果が期待できます。

JAK阻害薬

JAK阻害薬は、細胞内にあるJAK(ヤヌスキナーゼ)という酵素の働きを抑えることで、関節の炎症や痛み・腫れを軽減し、関節破壊の進行抑制が期待できるお薬です。
これまでの治療で十分な効果が得られなかった場合でも治療効果が期待できます。

消炎鎮痛薬

いわゆる痛み止めです。関節の痛みや腫れを和らげることが期待できますが、病気の進行を抑える働きはありません。

副腎ステロイド

炎症を抑える作用があり、関節の腫れや痛みを和らげることが期待できます。合併症などの副作用に注意が必要となりますので、使う場合は必要最少量、可能な限り短期間の投与とするようにします。

日常生活の注意事項

感染予防について

治療薬の中には、免疫を抑制する働きをもつものがあります。感染予防の留意点を以下に記します。

感染予防習慣

手洗い、うがいをお勧めします。

ワクチン

肺炎球菌・インフルエンザ・新型コロナワクチンなどの予防接種をお勧めします。

食事について

食事

たんぱく質・ビタミン・鉄分・カルシウムなどバランスよく食べましょう。
筋肉量・骨粗鬆症・貧血対策に重要です。たんぱく質は不足している方が多いので、積極的に摂取することを勧めます。
食べてはいけないものは特にありませんが、過食や脂肪分の多いものを控えることをお勧めします。

サプリメント

一般的に市販されているサプリメントで関節リウマチに効果が証明されているものはありません。
葉酸が多く含まれている青汁などは一部の抗リウマチ薬の効果を減弱させますのでご注意ください。サプリメントを併用する場合は必ず主治医にご相談ください。

アルコール

肝臓でアルコールは代謝されますが、お薬も代謝されます。
アルコールで肝障害が起きればお薬の副作用が生じる場合があります。お薬の服用時での摂取は避けましょう。

健康管理について

歯科検診

関節リウマチと歯周病は関節リウマチの発病・悪化に関連があるとされています。
歯周病治療で歯周病が良くなると関節リウマチの状態も良くなるとの報告がありますので歯科検診をお勧めします。
また毎日の丁寧な歯磨きは肺炎予防にも重要です。

禁煙

関節リウマチと喫煙は関連があるとされています。お薬の効果を最大限発揮させるためには喫煙されている患者さんは是非禁煙しましょう。

関節リウマチのリハビリテーション

発症の初期からリハビリテーション療法を行うことが重要です。
関節を動かさないと周囲の筋力が低下し、動かせる範囲が狭くなり、徐々に日常生活が不自由になっていきます。
また、筋力が衰えることも防がなくてはなりません。関節や体の痛みを軽減したり、動かしやすくしたり、からだの機能維持や回復を目的として、運動療法や、理学療法、作業療法などを行うことが推奨されています。
リウマチの症状や活動性に応じて、患者一人ひとりに合わせたリハビリテーションが実施されます。

図8 エクササイズ指導 可動性運動
エクササイズ指導 可動性運動

最後に

関節リウマチは、患者さんの生活の質に大きく影響を与える病気です。
しかし、正しい知識を持ち、早期より適切な治療を受けることで、普通の日々、良い日々を過ごしていただくことが可能です。
リウマチ専門医による診断、治療継続により、寛解を目指しましょう。

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