腰の痛みについて
腰痛は日本人の多くが経験する身近な症状であり、年齢や生活習慣に関わらず誰にでも起こり得ます。腰の痛みにはさまざまな原因があり、放置すると慢性化したり、生活の質が大きく低下することもあります。
当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた診療・治療を行い、再発予防のための生活指導や運動療法も積極的に取り入れています。
主な疾患名と特徴
筋・筋膜性腰痛
筋肉の疲労や緊張によって起こる腰痛。長時間の同じ姿勢や過度の運動などが原因となります。
椎間板ヘルニア
背骨のクッションである椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで腰や足に痛み・しびれが生じます。
脊柱管狭窄症
神経が通る脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて起こります。歩くと足がしびれる・痛む「間欠性跛行」が特徴です。
変形性腰椎症
加齢などにより腰椎が変形し、慢性的な腰痛や神経症状が出ることがあります。
圧迫骨折
骨粗鬆症などにより、腰・背骨の骨がつぶれてしまう状態です。高齢者に多く、痛みで動けなくなることもあります。
治療方法
患者さんの症状や原因に応じて、以下のような治療を行います。
内服薬(鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬など)
痛みの緩和や炎症の軽減を図ります。
注射(神経ブロック、トリガーポイント注射など)
強い痛みには、局所的に痛みを抑えるブロック注射を行うことがあります。
物理療法(電気治療、温熱療法など)
筋肉の緊張を和らげ、血流を改善します。
装具療法(コルセットなど)
腰の安定性を高め、動作時の痛みの軽減します。
手術
保存療法で改善しない重度の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに対しては、必要に応じて専門医と連携し手術を検討します。
リハビリテーション治療
腰痛の改善と再発予防には、リハビリテーションが非常に重要です。当院では以下のようなプログラムを提供しています。
ストレッチ・筋力トレーニング
腰や体幹の筋力を強化し、正しい姿勢や動きを身につけます。
日常動作の指導
腰に負担をかけにくい動き方や姿勢を学ぶことで、再発を予防します。
体操の指導
体幹・骨盤周囲の筋肉を鍛える自主運動の体操を指導します。
理学療法士による個別指導
国家資格を持つ専門スタッフが、症状や体の状態に応じたオーダーメイドの運動療法を行います。
ヨガによる腰痛予防・改善
最近では、ヨガが腰痛に対して有効であることが国内外の研究でも報告されています。
ヨガの特徴は以下の点にあります:
柔軟性の向上
筋肉や関節の柔軟性が増すことで、腰への負担が軽減します。
体幹の強化
姿勢を保つ筋肉(インナーマッスル)が鍛えられ、腰の安定性が高まります。
呼吸とリラックス
深い呼吸と心身のリラックスが、慢性的な痛みの軽減につながります。
正しい姿勢の意識づけ
日常生活でも自然と姿勢がよくなり、腰への負担が減ります。
当院では、安全に行える医療的観点から見た腰痛予防・改善のためのヨガをリハビリテーションに取り入れています。興味のある方はお気軽にご相談ください。